2003年度 信号処理 3年生Bコースの 試験結果の詳細と成績

  このページでは,2003年7月29日に実施されたBコースの試験について,その内容と結果の詳細を お伝えするとともに,教務課に報告する最終的な成績をお知らせします.

【注意】 2004年4月13日の7限の講義で,ひとつ伝え忘れたことがあります. 言い忘れたのは,以下の内容です. 「最後の講義の時間または補講期間に,模擬試験を行います. これは,本番の試験と似通った形式,似通った内容で,皆さんの試験勉強の メドを与えるために行うものです.補講期間の日だけは出席をとって評価に 加えます.模擬試験には必ず出席するようにして下さい」 【注意はここまで】

今年は,模範解答(簡単な解説つき)も公開することにしました. 皆さんが90分間熟考した問題ですので,解説を見ながらもう一度考えてみることで, 信号処理に対する理解がさらに深まると思います.どうぞ,以下をクリックして下さい.


2003年度「信号処理論(Bコース)」の模範解答と皆さんへのコメント 1ページめ. 2ページめ. 3ページめ.

2003年度メイルによるレポートの受け取り確認は, こちら.
総合点成績個人識別番号試験得点問題1問題2問題3問題4問題5問題6問題7問題8備考
下記参照 6桁生の点不規則信号論z変換Dフィルタ定常性畳み込みガウス性S定理ウインドウ 
   満点->1005,5,5,5,85,5,5,510,55105512 
   模範-> 解答1解答2解答2解答2解答3解答3解答3解答3 
101571019 905,5,5,5,84,5,1,510,50105512 
101221235 880,0,5,3,85,5,5,510,55105512 
097114448 845,5,4,3,85,0,5,510,54100510 
096199716 835,5,0,5,85,5,3,510,00105512Aコース
085399640 745,5,0,0,65,5,3,510,50100510 
076686135 610,0,0,3,05,5,1,010,55 84510 
072140378 590,0,5,3,65,2,0,010,25 22512 
070700009 615,0,5,3,85,5,3,510,50 104 2Aコース
066741127 535,0,0,0,04,5,5,110,251004 2 
065551011 540,0,5,3,04,5,5,510,50 804 0 
064455918 515,0,0,0,05,5,0,010,52 50410 
064258912 610,0,5,3,64,5,0,3 8,00100512 
062821217 530,0,0,3,85,5,3,0 8,50 155 5Aコース
062177504 550,0,0,0,05,5,1,510,551054 0 
062012000 555,5,0,0,04,4,3,510,521020 0 
061340753 560,0,0,0,54,5,3,510,451005 0 
061135642 540,0,0,1,05,5,5,110,051054 3Aコース
058966996 495,0,0,0,05,5,5,110,50 105 7Aコース
057506277 480,5,4,0,84,5,3,110,50 102 0Aコース
054997188 410,0,0,0,84,5,5,5 0,001004 0 
054051500 475,5,0,0,05,5,0,3 9,21 604 2 
053707300 440,0,0,0,05,5,1,2 8,501004 4Aコース
053333333 420,0,5,0,04,1,5,010,50 504 3 
053090679 465,0,5,3,05,5,1,010,00 750 0 
052814036 415,5,5,0,64,2,5,2 0,10 204 0 
052012210 475,0,0,0,05,5,1,510,001003 3 
052000100 472,0,0,0,05,5,3,510,001004 3 
047934092 360,0,0,0,05,5,5,210,10 602 0Aコース
046101019 390,0,0,3,25,5,3,2 0,021005 2 
045032200 400,0,0,0,85,5,1,510,00 300 3 
044271828 370,0,0,0,05,5,5,510,52 000 0 
040581031 350,0,0,0,05,5,1,510,00 504 0 
040084470 345,5,0,0,04,5,0,2 5,00 512 0Aコース
034825247 290,0,0,3,05,2,1,1 8,20 502 0 
034641031 360,0,0,0,05,5,1,510,001000 0 
033173567 260,0,5,5,80,0,0,0 0,00 125 0 
032133566 290,0,0,0,04,2,1,0 7,01 600 8 
031123456 280,0,0,0,04,2,0,0 0,00100210 
028356810 300,0,0,0,05,5,3,510,00 200 0 
023850711 250,0,0,0,05,5,1,210,00 200 0 
011369931 110,2,0,0,20,0,0,0 0,01 401 1 
000478470 55,0,0,0,00,0,0,0 0,00 000 0 

総合点は,試験得点に「記述と計算のどちらか片方が0点の場合の減点」をし, 「レポート点(メイルによるレポートを含む)と模擬試験の日の出席点を加味」したものです.

講義の内容の量がそもそも多く,また,90分しかない試験時間の割には問題量がB4で3ページと 非常に多いので,高得点した人は,事前に充分な勉強をした上で,当日もかなり頑張ったことと思います. また,今年の試験で特に感じたのは,レポートに出した問題については,みなさん充分練習されていて, かなりの人たちが充分な実力をつけていたということです. ただし,「練習」というよりは「答えの暗記」になってしまっていて, 期末試験でレポートに出したときの数字と変えてある部分まで前の数字で答えている人が何人かいました. このあたりは,ちょっと気掛かりです.

【秀の人数について】 総合点でとびぬけて得点の高い人が4人いましたので,この方々と「秀」といたしました. たいへんよく勉強されていると思います. 「優」の人たちも,非常によく出来ていたと言えるでしょう. 充分自信を持ってよいでしょう.

【Aコース学生について】 特殊な事情により,今年は,Aコースの学生が何人か受験しています. Bコースの方とは,勉強の環境や条件が違うので,表の中の備考欄にAコース学生の印をつけてあります.

【評価のその他の境界について】 秀と優の境界は,上に書いたように人数で決めました. 他の境界は,境界付近の人について,問題別の得点とレポート提出状況を見て, (例えば,この問題すらできないようでは,可もやむを得ないなあというような観点で) 決めました.その後,境界付近の解答用紙を取り出して,皆さんの解答をもう一度見て, 私の想定している「優,良,可,不可」のレベルに一致しているかを確認しています. なお,結果として,優と良の境界を少し下げたことをのぞくと, 他の全ての境界はAコースの試験結果と同じになりました.

【メイルによるレポート】 学科計算機のシステム上のトラブルで,メイルが着かないという事態が発生しました. 現時点で,まだ再送してくれていない人もいますが,元々みなさんの責任ではありませんし, メイルのコピーを保存していない人もいるかもしれませんので, 「トラブルにあった人は,よいレポートが提出される」と想定して採点しています.

#好きな数字(6桁)に重複はありませんでした.

★★★★★★★ 各問題に関してのコメント ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

【問題1】不規則信号論とその応用

自己相関関数や相互相関関数から必要な情報を読み取る問題です. 模擬試験の日にお配りした練習問題等でも,この手の問題はいくつか紹介しましたので, 少し慣れてきて頂けたのではないかと思います. ただ,成績上位の人の中にも,この問題のみ全く手がつけられていない人がいたのは少し気になりました.

【問題2】z変換

おなじみの問題ですね. みなさん,概して良くできていました. ただし,完答できた人は2人しかいません. ある意味,エンジニアの仕事というものは, 「ミスなく全ての仕事を仕上げて初めて意味のある仕事になる」という面があります. そういう意味で,この程度の問題は,多くの人に満点をとって欲しいと感じました.

【問題3】ディジタルフィルタ

これもおなじみの問題だと思います. ほとんどの方が,とてもよくできていました. ただ,(2)のグラフにおいて,横軸を0〜10kHzにとってしまう人が,まだ何人かいるのには 少しがっかりしました.これは,サンプリング定理を理解していないということだからです.

【問題4】定常性

過去問でも練習問題でも模擬試験でも,まだ出題したことのない問題です. 出来た人と出来ない人の差がはっきり出ました.

【問題5】フーリエ変換・畳み込み

周波数の世界に移って考えるなら,「いちばんよくあるフーリエ変換2種類が出来ればOK」という問題です. 模範解答に書いたように,もちろん時間領域で証明してもいいのですが,そのような方針をとった人は ひとりもいませんでした.

【問題6】ガウス性不規則信号

あまりよく出来ていませんでした.講義の中では,かなり熱弁をふるったつもり立ったのですが, 空振りに終わってしまったのでしょうか.....

【問題7】サンプリング定理

みなさん,よくできていました. なお,定量的な記述(つまり信号帯域の2倍の周波数のサンプリングでという話)がぬけている人は, 4点にしてあります.

【問題8】ウインドウ

満点を取った人は全て優以上の人であり, また,上位成績の人の大半が10点か12点(満点)をとっていることからわかるように, 「信号処理の勉強をどれくらいしたか」のバロメータになるような問題だったようです. 実際,ウインドウの理論は,「フーリエ変換」「循環畳み込み」「掛け算<-->畳み込み」「ディジタルフィルタ」「スペクトル推定」 など,信号処理の基本理論のほとんど全てとからまっています.ですから,ちょっと大袈裟に言えば 「ウインドウを理解している人は,信号処理を理解している」と言えるのではないでしょうか. 解答欄に全く書けなかった人,5点以下しか得点できなかった人は,プリントを最初から最後まで もう一度読み直して復習して欲しいと思います.


2003年の「信号処理論(Aコース)」の試験結果と成績の速報は, こちら.

昨年度の「信号処理論(Aコース)」の試験結果と成績は, こちら.

昨年度の「信号処理論(Bコース)」の試験結果と成績は, こちら.