2003年度 信号処理 3年生Aコースの 試験結果の詳細と成績

  このページでは,2003年7月23日実施のAコースの試験について,その結果の詳細を お伝えするとともに,教務課に報告する最終的な成績をお知らせします. 採点とデータ処理作業が終了しました. 今年は,模範解答(簡単な解説つき)も,このページで公開していますので, 自分の得点とあわせて御覧下さい.特に,出来たつもりでいても得点できていない問題については チェックをしてみて下さい.また,完答出来た問題についても, 皆さんが90分間熟考した問題ですので,解説を見ながらもう一度考えてみることで, 信号処理に対する理解がさらに深まるはずです. これとは別に,表の下にも採点していて気付いた事項のコメントがありますので,それも御覧下さい.
2003年度「信号処理論(Aコース)」の模範解答と皆さんへのコメント 1ページめ. 2ページめ. 3ページめ.

2003年度メイルによるレポートの受け取り確認は, こちら.
総合点成績個人識別番号試験得点問題1問題2問題3問題4問題5問題6問題7問題8備考
下記参照 6桁生の点相互相関自己相関F級数Dフィルタz変換白色雑音S定理パワースペクトル 
   満点->1005,5,5,55,5105,5,5,55,55520 
   模範-> 解答1解答1解答2解答2解答3解答3解答3解答3 
99741011835,5,5,02,0 85,3,5,55,55520編入生
96913900805,5,5,04,4 55,5,5,25,55515編入生
96111111810,0,5,05,4 75,5,5,55,55520編入生
96021199804,5,5,02,4105,5,5,53,43515 
95982178834,0,5,52,4 55,5,5,54,45520編入生
94270914784,0,0,56,4 65,3,5,55,55515編入生
93248326810,5,5,02,2105,2,5,55,55520 
92160117765,5,5,04,4105,5,5,55,555 3 
92110148765,5,4,04,4102,5,1,15,55515編入生
91573573784,5,0,02,4105,3,5,55,50520 
88072103764,5,5,02,4105,5,1,05,35517 
86510725714,0,5,50,2 95,3,0,04,45520 
86231011705,0,0,02,4 65,5,5,55,35515 
85838862695,0,0,02,4105,1,5,53,25517 
81444444664,0,5,04,4 65,3,3,52,55015 
81342534652,0,0,50,4 65,1,0,35,45520 
80113225675,0,5,04,0105,3,0,05,55515 
79138003764,4,0,50,2105,5,5,15,55515 
76813264665,5,5,54,4 64,5,0,32,555 3 
76620665615,5,5,52,2105,1,0,05,555 1編入生
76570827635,5,0,53,2 03,5,3,35,54510 
76316317604,0,0,02,2 83,3,0,35,45516編入生
75134513595,4,0,56,4 60,1,0,05,35510編入生
74868686615,4,0,06,4104,5,0,35,555 0 
73422165664,5,5,52,4 54,1,0,04,45315 
72211600564,0,5,04,4 55,5,0,05,545 5編入生
71633204560,0,2,00,2105,5,5,55,554 3 
70110135575,0,0,04,4 05,3,0,35,35515 
68634526530,0,5,01,2100,0,0,05,45516 
67221835514,0,5,04,4105,1,0,05,535 0編入生
67002403520,3,0,00,0105,5,5,55,355 1 
66763570564,0,5,51,2 24,5,5,55,355 0 
65666666505,5,0,03,4102,5,0,50,551 0 
65124816524,0,0,52,4104,3,0,05,555 0 
64323728480,0,5,44,0 25,3,5,55,550 0 
61994757515,5,0,02,4 45,3,5,05,553 0 
60651243484,0,5,04,4 65,3,0,35,450 0 
60550227455,0,5,04,4 53,3,1,11,355 0 
60270027455,0,5,32,4 52,0,0,15,353 2 
60110095444,3,5,50,2 13,1,0,05,555 0 
59171311435,0,0,00,4 65,3,0,05,555 0 
58159753545,0,5,04,4102,0,0,02,25510 
57010120455,0,5,50,2 61,3,0,05,355 0 
56910070405,0,5,02,4 03,2,0,05,554 0 
56060725445,3,0,52,2 15,1,0,05,555 0 
55571201435,0,0,02,4 63,0,0,05,445 5 
55560927395,0,0,00,2 55,3,1,05,355 0 
54647321394,0,0,01,4 45,3,0,05,550 3 
53195324374,0,0,50,2 51,0,0,05,055 5 
53069321464,0,3,54,4 14,3,3,10,455 0 
52324792365,0,0,00,2 15,3,0,05,555 0 
50801227434,3,0,50,2100,0,0,04,555 0 
49599407334,0,0,00,2 45,0,0,03,455 1 
46804610340,0,0,00,0 92,1,5,15,425 0 
46119229300,0,0,02,0 62,0,0,05,455 1 
44570127314,0,0,00,0 70,0,0,05,555 0 
42821214355,5,5,54,2 00,0,0,03,003 3 
42687543290,0,0,04,4 23,3,0,05,350 0 
41xxxxxx355,0,0,30,2 04,3,5,05,350 0 
39060680240,0,0,00,4 50,0,0,05,550 0 
38030528300,0,0,00,0105,0,5,05,500 0 
36811028325,0,0,01,2 01,1,0,01,10515 
30073472225,0,0,00,0 43,2,0,04,400 0 
30071111304,5,0,53,4 50,0,0,00,004 0 
25242424220,0,0,00,2 51,0,0,03,155 0 
23210021210,0,0,00,0 92,0,0,05,500 0 
21071213170,0,0,00,2 00,0,0,02,055 3 
11570114 60,0,0,00,1 50,0,0,00,000 0 

総合点は,試験得点に「記述と計算のどちらか片方が0点の場合の減点」をし, 「レポート点(メイルによるレポートを含む)と模擬試験の日の出席点を加味」したものです.

講義の内容が盛り沢山なので,試験勉強も大変であったと思われます. こうした中で,「秀」と「優」の成績をとった方は,非常に良く勉強したと言えると思います. 満点に近い得点者はいませんが,時間の割りに問題量が多かったことも考え合わせると, 今年のクラスの皆さんは,全体的にも良くできていたと思います.

【秀の人数について】 C2のこのクラスは,時間割りの都合もあってか,今年も高専編入生が集中しました. 編入生には,すでに高専での卒研などにからんで信号処理を学んでいる学生も含まれており, 一般的によい成績を残す傾向にあります. 「秀」の人数を杓子定規に決めてしまうと,この特殊な事情下では,非編入生にとっては C1のクラスとのあいだで不公平が生じる懸念もあると考え, 「非編入生の中で秀の割合が適切になるように」秀と優の境界を決めました. 「秀」を11人に差し上げていますが,編入生以外では5人に過ぎません. なお,「編入生がよい成績を残す傾向にある」といっても,「秀」をとるためには かなりの努力が必要であったことは言うまでもありません.

【評価のその他の境界について】 秀と優の境界は,上に書いたように人数で決めました. 他の境界は,境界付近の人について,問題別の得点とレポート提出状況を見て, (例えば,この問題すらできないようでは,可もやむを得ないなあというような観点で) 決めました.その後,境界付近の解答用紙を取り出して,皆さんの解答をもう一度見て, 私の想定している「優,良,可,不可」のレベルに一致しているかを確認しています.

【メイルによるレポート】 学科計算機のシステム上のトラブルで,メイルが着かないという事態が発生しました. 現時点で,まだ再送してくれていない人もいますが,元々みなさんの責任ではありませんし, メイルのコピーを保存していない人もいるかもしれませんので, 「トラブルにあった人は,よいレポートが提出される」と想定して採点しています.

#好きな数字(6桁)に重複はありませんでした.

★★★★★★★ 各問題に関してのコメント ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

【問題1】相互相関関数

相互相関関数から,どのくらい情報を読み取れるかを試す問題です. (b)は予想どおり,みなさん良く出来ていました. (e)は,大変難しく,ほとんど正解はいないのではないかと思いましたが, 「地震があったのだろう」などと出題者も予想しないような名解答もあって, 予想以上に良い出来でした.

【問題2】自己相関関数

自己相関関数の直感的な理解を試す問題です. (f)を選ぶのが一番難しいと思いましたが,これも予想以上に皆さん選べていました. (f)の理由については,採点基準を若干甘くしてあります. (「客観的な論証」というよりは「直観」で書いているものもOKとしています)

【問題3】フーリエ級数展開

レポートで出題した問題を,若干発展させたものです. ケアレスミスで,最後の答えがT/10になってしまっている人が何人かいました. 将来,エンジニアや研究者になる皆さんに,ぜひ申し上げたいことは, 「何かの答えを導いたとき,それが,明らかに奇異なのか,直感的にももっともか,の チェックをする癖をつけて欲しい」ということです.d=T/10の波と,第5次高調波の波を 重ねて書いてみれば,「第5次高調波が,d=T/10の波を構成する要素になってしまいそうなこと」は, すぐにわかるはずです.おかしいことに気付けば,計算を見直すことができます.

【問題4】ディジタルフィルタ

模擬試験のときにやった問題の,類似問題と, レポート課題として出題した問題の混合問題です. それにしては,出来が悪かったのが残念でした. 特に,極の位置をプロットできない人,極と特性の関係を把握していない人が 予想以上に多く,講義担当者として反省させられました. (3)と(4)で得点できなかった人は,ぜひ復習しておいて下さい.

【問題5】z変換

レポートでも,模擬試験でも,しつこいほど練習して もらった問題です.両方とも5点とれてあたりまえの問題です.

【問題6】白色雑音

この説明は,みなさん,良くできていました.

【問題7】サンプリング定理

この説明も,みなさん,良くできていました.

【問題8】パワースペクトルの推定

今回,採点して,最もショックだったのは,この問題の出来の悪さです. 時間が短かったこともあるのでしょうが,1文字も書けない人が多かったのは残念でした.

そもそも,不規則信号論を「有限次元の密度関数」から説き起こし, アンサンブルの考えも紹介し, そして,ガウス性不規則信号までも紹介し, さらに,自己相関関数の演習までしてもらったのは, 「不規則信号のパワースペクトル(or自己相関関数)を求めることの重要性」を 納得してもらいたかったからです. そして,この重要な「パワースペクトル」の推定に関して, 単にフーリエ変換して絶対値2乗するだけでなく,何等かの平均化作用が必要であることを かなり強調したつもりでした.しかし,今年は講義の時間がいつもより少なかったり, 私が風邪をひいて声が出ない中で話したりしたこともあり, 重要なことが思うように伝わらなかった面があったかもしれません. ぜひプリントを読み直してみて下さい.


2003年の「信号処理論(Bコース)」の試験結果と成績の速報は, こちら.

昨年度の「信号処理論(Aコース)」の試験結果と成績は, こちら.

昨年度の「信号処理論(Bコース)」の試験結果と成績は, こちら.